愛とは一体…
「愛」という言葉が、昔から嫌いだった。
一体なんなんだと。荒唐無稽。曖昧な観念。愛とか、LOVEとか・・・それを連呼してばかりいる幾千の歌手達が、いつだってテレビの中で持ち上げられている理由もよくわからなかった。なんかつまらないなー…大人は湿気てんなー・・・と思ったのは小学生の時分だった。同じ見えないものとしては、ガキの頃は幽霊とかの方がよほどリアリティと説得力があった。だってアレは怖いんだもん…みたいな感じで。
愛とは、一体なんなんだろう…
中学、高校にあがり思春期を迎え、多分に漏れず彼女もできた。恋愛という言葉に反応し、恋人を思いながら愛というものについてちょっと考えたりもしたけれど、結局つかみきれないままでよくわからなかった。その頃、俺にベースという楽器を弾く機会を与えてくれた寡黙な英語教師が、「・・・音楽は、詰まるところ愛なんだよ。」と、ちょっと言いにくそうに俺に伝えてくれた事も、後々まで心に引っかかる大きな問題定義となった。そうして再び愛というものに興味を持つようになった。
愛とは、なんだろう…
…楽器を弾く場所ばかり求めて、とにかくベースを弾きたがっていた大学生時代、あるジャムセッションで「お前のベースには愛が足りない、楽器の練習はもうやめて、とにかく女とセックスしまくれ。」と横浜のブルースギタリストに告げられる。彼のいう意味は当時全くわからなかったが、女と音楽ってどこかしらで同義なのかな…という疑念を抱いてみたりもした。…愛とは一体。そうして数年、気づけばミュージシャン達に囲まれながら悲喜交々、切磋琢磨する日々が始まっていた。そうして、もう何年が経つのだろう。
愛とは、
今でもそれを言葉ではうまく説明はできないけれど、あれから何度となくその存在を実感してきた気がする。他の何物でもない、愛というものに自分は救われてきたのだと、いつしか確信していた。両親の愛のもとに支えられ育ち、愛する仲間とともにはしゃぎ、ともに凹む日々を送ってきた。その日々に大好きな音楽は常にかたわらにあって、それはどんなシチュエーションでも俺たちを裏切らなかった。その噛み締めた喜びを伝え、それを音楽を愛する人々と共有していくことが俺がライフワークとして選んだ音楽、ひいてはミュージシャンとしての役割なんだ、と感じながら日々演奏している。振りかえってみると、毛嫌いしていた「愛」という言葉の曖昧さを説明できないまま痛いほど感じることのできる、数ヶ月前に亡くなった忌野清志郎さんの「愛しあってるかーい!!」を聴くだけで、胸がうずく大人になっていた。
「愛の彼方」
昨夜、椎名純平&The Soul Force @ MOTION BLUE YOKOHAMAで初披露となった新曲のタイトル。純平さんの書いてきたこの曲は、バンドメンバーの俺がいうと手前味噌になるけど、演奏していると泣きそうになる位にイイ。自分の音楽とお客さんに対する心情に、真っ直ぐ刺さるというのもあるかな・・・サビで、「ずっと 愛を届けるよ BABY」なんてストレートな言葉を、軽くも熱くもなく、ただただ甘酸っぱく切実に歌いあげられる椎名純平というシンガーが大好きです。一緒にこのバンドで、たくさんの愛を届けていこう。まだ見ぬ愛の遥か彼方に、みんな連れて行こうっ!!て勝手に思いながら弾いていました。…自分、暑苦しくてすみません…今夜もほんと楽しかった。来てくれた皆さん、ありがとうございました!!

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