2010.01.20[水] 17:11:14
[
Diary ]
なにやら、聞き慣れない機械を空輸した結果
その導入のために繁忙期の年末に引っ越しをしたという
sleekeliteさんのところにいってきたのは、2週間ほど前のことだ。
仲間内で「渋谷ベース界の裏番長」と密かに呼び声の高い(笑)sleekelite代表の広瀬さんは
海外ベースブランドの代理店を営んでいる。いつも迅速かつブレない的確な対応で
あらゆるベーシスト達のプレイ環境を支えてくれている。その信頼感から、
修理屋でもないのに楽器調整をお願いしたり、相談にのって
もらったり常々お世話になっている方である。
今回広瀬さんが導入した機械というのは、ドイツからやってきた
“PLEK”という大きめの家庭用冷蔵庫が二、三台ぶんくらいの大掛かりな代物。
これは楽器調整に使われる。弦、フレット、指板、ロッド、ナットなどネックまわりの状態を
詳細に計測し、プレイヤーにとって最適な状態に自動調整してしまう画期的なものだ。フレットすり合わせも
ナット溝切りも、ものの数分で綺麗に仕上げてくれる。ただの効率的なオートメーション化というよりは、
PLEKによって楽器の状態がいままでは困難であった細部までが把握可能になり、のちに
施す処置もより精密に最適化される点にアドバンテージのある画期的なものだ。
このビックリドッキリメカを、昨年の数回のツアーで
酷使してきて少々ほころびがではじめていたメインベースで
体験させてもらった。まず自分の好みのネックのそり具合、弦、弦高の
セットアップ状態をPLEKが読み込む。そして、バィーン…とPLEKが実際に弦を
弾きながら検証。数分後に、どの弦のどのポジションがバズるか、そして、弦高とナットの
高さの現状の値と、推察されるベストな値が、画面に判然と表示されたのは、ちょっと感動的だった。

その後の処置は広瀬さんと相談をしながら決めた。
完璧に綺麗にセットアップすることも可能だが、調整にある程度の
余裕をもたせる方向でお願いした。おりこうさんすぎるよりは、少し荒いくらいが
楽器が暴れて個人的に好きなのと、調整前と変わりすぎるのも怖いのと、フレットの節約。

フレットすり合わせが、必要最小限に食い止められるというのはPLEKの大きな利点だと思う。
従来の手作業によるすり合わせでは、良くも悪くもそのリペアマンのクセが出るし
クライアントのセッティングや癖を熟知していない限り余裕を持たざるを
得ないため、削りすぎる結果になる。その点、楽器と弾き手の
クセを完全に把握した上で行われるPLEKのソレは
精度も高く、なによりエコなわけですよ。

ものの数分でフレットすり合わせが完了。
仕上げに手作業で汚れを落として再度PLEKで状態を確認。
「完璧です」と、広瀬さんらしい冷静なトーンで放たれる言葉に期待を大きくする。
PLEK使用後の感想としては、当たり前だがバズがなくなった。
以前よりも格段に左手が軽くなり、スムースな弾き心地に。この楽器を
初めて買ったときの弾き心地を思い出した。精度の高いトータルメンテナンスが
施されたのだから当たり前なのかもしれないが、全機械制御の調整なのに、スムースかつ
自然に仕上がるという部分に不思議な違和感を感じた。文明の利器ってすごいなー。感心しちゃうよ!!